品質管理の精度向上や検査工程の自動化に欠かせない「三次元測定機」。しかし、数百万円から数千万円にも及ぶ高額な初期費用がネックとなり、導入をためらっている企業も少なくありません。
そこで積極的に活用したいのが、国や自治体が実施している「補助金」制度です。融資とは異なり原則返済不要であるため、自社の目的に合った制度を賢く選ぶことで、設備投資の負担を大幅に軽減できます。
本記事では、三次元測定機の導入で使える補助金を紹介しています。
中小企業省力化投資補助金は、人手不足に悩む中小企業が「あらかじめ国が用意したカタログに登録された汎用製品(IoT機器やロボット等)」を選んで導入し、業務の効率化・省力化を図るための新しい制度です。
従来の複雑な補助金に比べて申請から採択までのプロセスが大幅に簡素化されており、「カタログから選ぶだけ」という手軽さが最大の魅力です。自社が求める三次元測定機(自動測定が可能なモデルなど)がカタログに登録されている製品であれば、対象となります。
2026年3月の制度改定により、少人数の企業に対する支援が手厚くなり、「生産性向上とあわせて賃上げを目指す企業」をバックアップする内容となっています。
主な対象は、人手不足の状態にある中小企業・小規模事業者等です。申請には国が発行する「GビズIDプライム」アカウントの取得が必須となります。
導入する設備は事務局のカタログに登録された製品に限られるため、事前にメーカーや販売店へ「この三次元測定機は省力化補助金のカタログに登録されていますか?」と確認することが最初のステップとなります。また、導入後に「省力化指数」などの効果報告や、賃上げ目標の達成が求められます。
補助率は原則 1/2 です。補助上限額は従業員数に応じて異なり、2026年3月19日以降の申請分より以下の通り拡充されています。
| 従業員数 | 補助上限額 | 大幅な賃上げを行う場合 |
|---|---|---|
| 5人以下 | 500万円 | 750万円 |
| 6〜20人 | 750万円 | 1,000万円 |
| 21人以上 | 1,000万円 | 1,500万円 |
カタログ注文型の設置期間(公募期間)は、当初の予定から延長され、2027年3月末頃までとなっています。この期間内に、随時公募・採択が行われる形式です。
参照元:中小企業省力化投資補助金公式サイト(https://shoryokuka.smrj.go.jp/)
「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(通称:ものづくり補助金)」は、中小企業が「革新的な新製品・新サービスの開発」や「生産プロセスの抜本的な改善」を行うための設備投資を支援する、メジャーな補助金の一つです。
「最新の三次元測定機を導入して、これまで自社では受注できなかった高精度な航空宇宙部品の加工に参入する」「測定を自動化して納品スピードを倍にする」といった、明確な競争力強化のストーリー(事業計画)が描ける場合に非常に有効です。
なお、2025年度から「収益納付(儲かったら国へ一部返還するルール)」が廃止されたため、より使い勝手が良くなりました。
日本国内の中小企業・小規模事業者が対象です。申請のハードルは比較的高く、3〜5年間の事業計画において、以下の厳しい数値目標の達成が必須要件となります。
これらを達成できない場合、補助金の返還を求められるケースもあるため、精緻な計画立案が求められます。
「製品・サービス高付加価値化枠(通常類型)」の場合、補助率は原則 1/2(小規模事業者は 2/3)です。補助上限額は従業員数によって以下の通り設定されています。
| 従業員数 | 補助上限額 |
|---|---|
| 5人以下 | 750万円 |
| 6〜20人 | 1,000万円 |
| 21人以上 | 1,500万円 |
| 51人以上 | 2,500万円 |
※海外展開を目的とした「グローバル枠」の場合は、従業員数に関わらず上限3,000万円となります。
第23次公募の予定は以下の通りです。
公募開始:2026年2月6日(金)
申請開始日:2026年4月3日(金)17:00
申請締切:2026年5月8日(金)17:00
採択公表:2026年8月上旬頃(予定)
参照元:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金公式ホームページ(https://portal.monodukuri-hojo.jp/about.html)
原材料費の高騰や深刻な人手不足に直面している「食品産業(製造、加工、流通、外食等)」の生産性向上に特化した補助金です。
「三次元測定機と食品産業がどう関係するの?」と思われるかもしれませんが、例えば「食品容器・パッケージの精密な金型設計」「製造ラインの部品摩耗チェックによる不良品削減」「立体的な食品の品質検査の自動化」など、食品生産の効率化に直結する用途であれば、本事業の活用を大いに検討できます。
日本国内で食品の製造、加工、流通等を行う中小企業が対象です。単なる設備の買い替え(更新)ではなく、AIやロボット、IoTなどの先端技術を活用して労働生産性を向上させる(省力化効果が客観的に証明できる)ことが求められます。
また、業界全体の省力化を牽引するモデル的な取り組みであることや、専門家・メーカーと連携して導入後の生産性向上を証明する事業計画の策定が必要です。
直近の公募期間:令和7年12月16日 〜 令和8年1月15日(※現在は受付終了)
令和8年(2026年)3月現在、前回の公募は終了していますが、予算の執行状況に応じて2026年秋頃に二次募集や、翌年度の先行募集が行われる可能性が高いため、こまめに公式情報をチェックしておくことをおすすめします。
参照元:農林水産省_食品事業者向け補助金パンフレット(https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sanki/soumu/attach/pdf/seisansei-172.pdf)
三次元測定機の導入には、高額な初期費用を抑えられる「補助金」の活用が有効です。カタログから製品を選ぶ「中小企業省力化投資補助金」や、革新的な開発を支援する「ものづくり補助金」、食品業界の自動化を促す「省力化技術導入支援事業」などがあります。
自社の業界や目的に適した制度を選び、メーカーや販売代理店のサポートも受けながら、賢く設備投資を行いましょう。
当サイトでは、自社の課題に合った三次元測定機の選び方や、おすすめの機種情報を幅広く紹介しています。あわせて参考にしてください。
ここでは、卓上に乗らない大型サイズのワークを対象とした検査において、測定サイズごとに適した性能・特徴を持つ三次元測定機やレーザートラッカーと、そのメーカーについて紹介しています。
WMシリーズ
| 測定範囲 | 1.0~25.0m |
|---|---|
| 指示誤差 | ±(28 + 5L/1000) μm |
Quantum Max FaroArm
| 測定範囲 | 2.0~4.0m |
|---|---|
| 指示誤差 | ±25~76μm※ |
Absolute Tracker AT960
| 測定範囲 | ~80m(最大160m) |
|---|---|
| 指示誤差 | ±15μm +6μm/1m※ |