三次元測定機を導入する際には、本体の価格だけでなく、設置や運用にかかるコストも考慮する必要があります。
価格は本体仕様だけでなく、測定対象の大きさや設置環境、必要な測定精度によって変わります。品質管理や検査工程での導入を検討している方は、相場を確認したうえで、測定対象別の三次元測定機・レーザートラッカー3選もあわせてご確認ください。
三次元測定機の本体価格は、機種や用途によって大きく異なります。一般的に接触式よりも非接触式の三次元測定機が高め。また、測定範囲の広さや精度を求めるほど、価格は高くなる傾向にあります。
価格相場を読み解くうえでは、接触式か非接触式かで「得意な測定」と「現場で必要になる環境条件」が変わる点を押さえるのが近道です。要点を比較表にまとめました。
| 方式 | 価格帯の目安 | 得意な測定 | 注意点(現場条件) |
|---|---|---|---|
| 接触式 | 数百万円〜2,000万円程度 | 穴・平面・基準面 幾何公差など寸法管理 |
柔らかい測定物は接触で変形する場合 温度・振動の影響を受けやすい |
| 非接触式 | 1,000万〜2,000万円程度 | 自由曲面・鋳物・樹脂 形状比較・リバース |
光沢面・高反射面は方式によって影響が出る場合 表面状態・照明条件の適合確認が必要 |
接触式は基準面や幾何公差などの寸法管理に向きます。一方で点取り中心になりやすく、自由曲面を広範囲に取得する用途では時間がかかる傾向があります。非接触式は面でデータ取得できるため形状比較や広範囲検査を効率化しやすい方式ですが、対象物の表面状態などによって測定品質が変わるため、現場条件まで含めて適合確認すると安全です。
現場では、接触式で基準を取り、非接触式で面形状を取得する使い分けもあります。用途によってはマルチセンサ対応の三次元測定機も検討対象になります。
方式や構造別の相場感は次の通りです。
価格帯のイメージをつかむため、代表的なメーカーとシリーズを例として紹介します。実際の価格は仕様やソフトウェア、保守契約の有無で変動するため、候補の当たりを付ける目的で参照してください。
WMシリーズはワイドエリアを対象にした三次元測定機として案内されています。測定室に固定する運用よりも、現場で大型ワークを測りたいケースや、段取りのしやすさを重視するケースで比較対象に入りやすいシリーズです。
Quantum X FaroArmシリーズはポータブル測定アームとして位置付けられており、対象物のそばに測定器を持ち込んで測る運用に向きます。ラインサイドでの寸法確認や、対象物へのアクセス性を重視する比較で検討されやすいシリーズです。
Global Sは据置型の三次元測定機のラインナップとして案内されています。標準的な寸法検査を軸に、検査の再現性や測定手順の標準化を重視するケースで候補になりやすいシリーズです。
本体価格に加え、導入時には以下のような初期費用が発生します。
特に大型の三次元測定機を設置する場合、専用の測定室を設けたり、設置するスペースを整備したりする必要があります。門型の測定機を設置する場合、数百万円規模の設置費用がかかることもあります。
測定環境や導入する製品にもよりますが、精度を保つために振動対策や温度調整システムの設置コストが発生するケースもあります。
三次元測定機を操作するにあたり、スタッフの技術習得にかかる費用も無視できません。
三次元測定機を運用するには、以下のランニングコストがかかります。
定期的なキャリブレーション(三次元測定機の正確性を確認・調整する作業)やプローブ交換などのコストが発生します。三次元測定機の精度を保つために欠かせない費用です。
三次元測定機に付属するソフトウェアのアップデートや新機能の追加にかかる費用です。
三次元測定機は価格の幅が広いため、自社の事業規模や測定対象の特性に合わせて投資判断を下すことが重要です。自社の課題に直結する価格帯のモデルを選ぶことで、導入後のミスマッチを防ぐことができます。
ハンディ型の3Dスキャナや小型のアーム型測定機は、初期投資を抑えたい加工業や金型製作の現場に適しています。手軽に持ち運んでラインサイドで即座に寸法確認ができたり、現物から3Dデータを作成するリバースエンジニアリングに活躍するため、多品種少量生産で現場のフットワークを重視する企業と好相性です。
自動車部品や精密機械など、高い精度と反復測定が求められる場合は、500万円から3,000万円超と幅広い価格帯をもつ門型(CNC)の自動三次元測定機が主力となります。プログラミングによる自動運転が可能なため、ヒューマンエラーを排除して全数検査や抜き取り検査を効率化したい企業にとって、人件費削減と品質の安定化を両立できる選択肢です。
航空機の機体、鉄道車両、プラント設備といった巨大な対象物を測定する場合、1,000万円台から導入可能で、構成によっては3,000万円を超えるハイエンドなレーザートラッカーや広範囲スキャナ構成が視野に入ります。測定対象を動かさずに現場でサブミリ単位の精度を確保できるため、大規模な組み立て工程の段取り改善や厳密な品質証明が必須の企業において、導入コストに見合う十分な価値を提供します。
価格帯を把握した後は、測定対象の大きさや測定環境に加え、必要な測定精度や検査の再現性に合う機種を確認することが重要です。自社のワークサイズや検査工程に近いものから確認すると、必要な機能や相談先を絞り込みやすくなります。
ここでは、卓上に乗らない大型サイズのワークを対象とした検査において、測定サイズごとに適した性能・特徴を持つ三次元測定機やレーザートラッカーと、そのメーカーについて紹介しています。
WMシリーズ
| 測定範囲 | 1.0~25.0m |
|---|---|
| 指示誤差 | ±(28 + 5L/1000) μm |
Quantum Max FaroArm
| 測定範囲 | 2.0~4.0m |
|---|---|
| 指示誤差 | ±25~76μm※ |
Absolute Tracker AT960
| 測定範囲 | ~80m(最大160m) |
|---|---|
| 指示誤差 | ±15μm +6μm/1m※ |
レーザートラッカーの本体価格は、測定範囲や6DoF対応、スキャナ有無、付属ソフトの構成で大きく変わります。一般に高機能・広体積対応になるほど価格は上がる傾向があります。為替や在庫、保守契約の有無によって変動するため、相場は幅を考慮した上で判断するのが適切です。
いずれも市場状況で前後します。導入時は本体構成に加え、校正・保守や教育、現場での段取りなどの付帯コストも合わせて検討するのが安全です。
価格とTCOを総合すると、標準的なブリッジ型の三次元測定機(CMM)は数百万円~2,000万円程度が中心で、定置・自動化に載せやすく再現性とスループットを確保しやすいため、総費用を抑えやすい選択になりやすいです。
対してレーザートラッカーは新品ベースで1,100万~2,100万円、6DoF/スキャナ同梱で3,000万~5,500万円に達し、校正・教育・現場段取りにかかるコストも大きくなりがちで、一般的な工場内の反復検査ではCMMの方がコストパフォーマンスで有利です。
ただし、実際に適した機種は、測定対象のサイズ、測定場所、必要精度、運用人数によって変わります。価格だけで判断せず、測定対象に合う機種を比較したうえで、自社の現場に合う導入方法を検討しましょう。
ここでは、卓上に乗らない大型サイズのワークを対象とした検査において、測定サイズごとに適した性能・特徴を持つ三次元測定機やレーザートラッカーと、そのメーカーについて紹介しています。
WMシリーズ
| 測定範囲 | 1.0~25.0m |
|---|---|
| 指示誤差 | ±(28 + 5L/1000) μm |
Quantum Max FaroArm
| 測定範囲 | 2.0~4.0m |
|---|---|
| 指示誤差 | ±25~76μm※ |
Absolute Tracker AT960
| 測定範囲 | ~80m(最大160m) |
|---|---|
| 指示誤差 | ±15μm +6μm/1m※ |