大型検査向け三次元測定機導入支援メディア│サクソク » 三次元測定機の種類について解説 » ポータブルCMM(ハンドヘルド型)とは?三次元測定機との違い

ポータブルCMM(ハンドヘルド型)とは?三次元測定機との違い

目次
全て表示

ポータブルCMM(ハンドヘルド型)は、従来の三次元測定機(CMM)と比較して、携帯性と柔軟性を兼ね備えた測定機器です。本記事では、ポータブルCMMの特徴と三次元測定機との違いについて解説します。

ポータブルCMMの代表的なメーカーと製品

キーエンス XMシリーズ

XMシリーズ
引用元:キーエンス公式HP
https://www.keyence.co.jp/products/3d-measure/cmm/xm/pr/163544002.jsp

XMシリーズは、ポータブルかつ高精度で使いやすい三次元測定機として、工業分野での効率向上や人件費削減に寄与。従来の固定式測定機では難しかった現場での測定において、その優位性が際立ちます。

  • 高精度と広範囲測定
    XMシリーズは、繰り返し精度 ±3μmと非常に高精度な測定が可能です。最大2mの測定範囲を持ち、従来比66倍の広範囲測定を実現します。
  • 直感的操作
    手に持つプローブを対象に当てるだけで簡単に三次元測定ができ、初心者でも扱いやすい設計が特徴です。モニターに表示される指示に従うだけで、複雑な形状の測定も可能です。
  • 持ち運び可能で環境耐性に優れる
    測定装置を持ち運べるため、現場や機上での計測が可能です。さらに、温度や湿度の変化に対応できる温度補正機能を備え、厳しい環境下でも安定した測定を行えます。

詳しいスペックが知りたい方は、公式HPで無料のカタログをダウンロードできます。

参照元:キーエンス公式HP
https://www.keyence.co.jp/products/3d-measure/cmm/xm/pr/163544002.jsp

キーエンスの三次元測定機
について詳しく見る

FARO Gage Max FaroArm

Gage Max FaroArm
引用元:FARO公式HP
https://www.faro.com/ja-JP/Products/Hardware/Gage-FaroArm

Gage Max FaroArmは、小型から中型の部品の3D測定に特化したポータブルCMMです。従来の手動測定器を使用した煩雑な検査を効率化し、短時間で高精度な測定を可能にします。

  • 高精度測定
    ISO 10360-12規格に準拠し、正確な寸法検証が可能です。
  • 簡単なセットアップと操作性
    コンパクト設計で現場にすぐに設置でき、プローブ交換も簡単です。
  • 持ち運び可能
    カウンターバランス機能により、疲労なく片手で操作可能です。

製品概要

測定範囲 1.5m(4.9ft)
測定精度 0.012mm(ISO 10360-12準拠)
価格 要問い合わせ
参照元:FARO公式HP
https://www.faro.com/ja-JP/Products/Hardware/Gage-FaroArm

FAROの三次元測定機
について詳しく見る

大型ワークの検査に適した
三次元測定機・レーザートラッカー3選

当サイトでは、大型検査におすすめ三次元測定機・レーザートラッカーを3製品紹介。いずれも卓上では測定の難しい中・大型ワークに対応している製品と、メーカー企業についての情報を記載しています。

大型ワークの検査は、測定の作業効率や取り回しの良さ、環境耐性など、測定対象や環境に合わせて重視する性能・特性を考えることが重要です。ぜひ、使用状況を鑑みながら、装置選定の参考にしてみてください。

ポータブルCMMとは

ポータブルCMMは、特に製造現場での使用を目的とした携帯型の測定機です。CMMの精度を保ちながらも、持ち運び可能であり、現場の柔軟な対応を可能にします。

  • 携帯性
    小型で軽量な設計により、どこへでも持ち運びが可能です。測定対象物を移動させる必要がなく、現場での作業を効率化します。
  • セットアップの簡易性
    固定された設備が不要で、すぐに測定を始めることができます。従来型のような複雑な準備が必要ありません。
  • 汎用性
    様々な形状や大きさの物体に対応可能であり、測定範囲の拡大や縮小が容易です。

ポータブルCMMと三次元測定機の違い

ポータブルCMMと従来の三次元測定機(CMM)には、以下のような違いがあります。

設置と可搬性

  • ポータブルCMM
    持ち運びが可能で、現場でも使用できる測定機です。ポータブルアームやレーザートラッカーなどが代表例で、製造ラインや大型部品の測定に便利です。
  • 三次元測定機
    通常、固定された測定室に設置され、精密な環境で使用されることが多いです。重量があり、移動はほとんど行われません。

測定対象と用途

  • ポータブルCMM
    複雑な形状や大型の部品など、測定対象を測定室に持ち込むのが難しい場合に適しています。また、現場での寸法検査や溶接構造物の測定などにも使われます。
  • 三次元測定機
    高精度な測定が求められる部品の寸法検査や、工程管理のための検査に用いられます。通常、コンポーネントの形状や寸法を精密に評価するのに適しています。

精度

  • ポータブルCMM
    持ち運び可能な特性上、測定精度は固定型の三次元測定機よりもやや劣りますが、柔軟性が高い点が強みです。精度は測定条件や環境に左右されやすく、高い精度が必要な場合には不向きです。
  • 三次元測定機
    高い精度を持っており、温度管理された環境で使用されるため、安定して精密な測定が可能です。

三次元測定機の価格・
費用対効果について詳しく見る

操作性

  • ポータブルCMM
    操作が簡単で、測定対象に直接接触しながら測定することも可能です。狭い場所でも測定しやすく、作業効率が良い点が特徴です。
  • 三次元測定機
    自動測定プログラムを作成して、一貫した測定を行うことが可能です。プログラム制御により繰り返し作業が正確に行える反面、操作には専門的な知識やスキルが求められる場合があります。

さらに進化するワイヤレスタイプのポータブルCMM

ものづくりや工業デザインの現場でポータブルCMMの活躍は目覚ましいものがありますが、なかでも近年特にニーズが高まっているのが完全ワイヤレスタイプの測定機です。これまでのポータブルCMMの利点をさらに引き上げ、現場の測定効率を飛躍的に向上させる理由について解説します。

ケーブルレスによる取り回しの良さと安全性

従来の有線式ポータブルCMM(アーム型など)では、作業者の動線がケーブルの長さに制限され、「測定中にケーブルが対象物や設備に引っかかる」といったトラブルが現場の課題でした。ワイヤレス測定機であれば、大型部品の裏側や入り組んだ場所でも安全かつスムーズに測定でき、ケーブルの断線リスクもありません。運用面でのストレスと不安を大幅に軽減します。

大型ワークなど広範囲の測定を効率化

有線ケーブルの制約がなくなることで、より広範囲の測定もスムーズに行えるようになります。例えば、従来は数回に分けて測定しデータを集約する手間がかかっていた大型ワーク、建設用重機や大型車両などでも、対象物の周りを自由に歩き回りながらシームレスに測定を完了させることができます。

用途で選べる2つの測定方式

ワイヤレス測定機には大きく分けて2つの測定方式があり、用途や目的、測定する対象物の特性などに応じて適したものを選べます。それぞれの特徴は以下の通りです。

接触式(ワイヤレスプローブ)

手に持ったプローブを対象物に直接当てて測定する方式です。穴のピッチや奥まった箇所など、ミクロン単位の厳密な精度が求められるポイント寸法を測定したい場合に適した方式となっています。

非接触式(ワイヤレス3Dスキャナ)

レーザーなどを照射し、対象物に触れることなく面でデータを取得する方式です。複雑な自由曲面を持つ部品の測定に適しており、全体形状の把握やリバースエンジニアリング用途でも広く活用されています。

ワイヤレス三次元測定機を選ぶ際の3つのポイント

測定したい対象物のサイズと材質

測定対象が手のひらサイズの部品か、数メートルに及ぶ大型ワークかによって、選ぶべき機種(測定範囲)は異なります。また、光を反射しやすい金属や黒色の樹脂部品などの場合、非接触式(3Dスキャナ)ではデータの取得が難しいケースもあるため、対象物の材質に適した方式かどうかの確認も重要です。

精度レベル

寸法保証のためにミクロン(μm)単位の厳密な数値が必要なのか、全体形状の把握(数ミリ程度の誤差許容)で十分なのかによって、選ぶべき機器が変わってきます。極めて高い精度での数値化を求めるのであれば、接触式プローブでの測定が推奨されます。

利用環境

ワイヤレス測定機の多くは環境変動に対する補正機能を備えていますが、対応できる温度範囲や防塵性能などはメーカーや機種によって異なります。空調の効いた検査室で使うのか、粉塵や温度変化のある製造現場(ショップフロア)でそのまま使うのかなど、実際の使用環境の基準をクリアしている機種かどうかを事前に確認することが不可欠です。

ポータブルCMMのまとめ

  • ポータブルCMMは持ち運びが可能で、どこでも測定できるため、生産現場での柔軟な対応が可能
  • ポータブルCMMは、振動や温度変化に強く、三次元測定機が苦手とする現場環境でも対応可能
  • 三次元測定機は高精度な検査に向いており、ポータブルCMMは、現場での素早い測定や品質管理をサポート

ポータブルCMMは、その柔軟性と高精度な測定性能により、製造現場の効率を大幅に向上させることが可能です。

据え置き型の三次元測定機が求める安定した環境に依存しないため、迅速かつ正確な品質管理を行うためのツールとして活躍します。生産現場のニーズに応じて使い分けるといいでしょう。

キーエンス公式サイトへ
測定対象別
三次元測定機・
レーザートラッカー3選

ここでは、卓上に乗らない大型サイズのワークを対象とした検査において、測定サイズごとに適した性能・特徴を持つ三次元測定機やレーザートラッカーと、そのメーカーについて紹介しています。

自動車からプラントまで
現場での効率重視の検査なら
キーエンス

WMシリーズ

キーエンス公式HP
画像引用元:キーエンス公式HP(https://www.keyence.co.jp/products/3d-measure/cmm/wm/get-pricing/)
ワイヤレスプローブにより大型の測定もひとりで簡単に

取り回しの良いワイヤレス式で、接触式(プローブ)と非接触式(レーザー)の2種類が選択可能。寸法・形状を省人かつ効率的に測定できるハンディ型の測定機
手元に搭載されたタッチパネルによりその場でPCと通信でき、ひとりでもスピーディな測定を実現します。

測定範囲 1.0~25.0m
指示誤差 ±(28 + 5L/1000) μm
大型の金型など
複雑な形状の検査なら
FARO

Quantum Max FaroArm

FARO
画像引用元:FARO(https://www.faro.com/ja-JP/Products/Hardware/Quantum-FaroArms)
奥まった形状の測定でもアーム範囲内なら死角なし

手ぶれ・ミスの少なさから安定して操作でき、複雑な形状の対象物の測定で力を発揮する多関節アーム型の測定器
8軸テーブルを使用することで、一度のセットアップでさらに様々な角度からの測定が容易になります。

(※接触式測定の場合)
測定範囲 2.0~4.0m
指示誤差 ±25~76μm※
建造物や地形測定
屋外での検査なら
HEXAGON

Absolute Tracker AT960

HEXAGON公式HP
画像引用元:HEXAGON公式HP(https://hexagon.com/ja/products/leica-absolute-tracker-at960)
強力な防塵・防水仕様で屋外環境でも正確な測定

密閉型ユニットが粉じんなどの汚れの侵入を防ぎ(IP54相当)、屋外環境でも問題なく使用できる測定機
本体搭載の環境ユニットが気温、気圧、湿度条件をチェックし、外部要因に合わせて検査結果を補正します。

測定範囲 ~80m(最大160m)
指示誤差 ±15μm +6μm/1m※
(※参考:[PDF]キーエンス公式HP https://www.keyence.co.jp/download/download/confirmation/?dlAssetId=AS_107457&dlSeriesId=WS_SR57355&ad_local=CDc&wl=1
(※参考:FARO公式HP https://www.faro.com/ja-JP/Products/Hardware/Quantum-FaroArms
Euni 測定値と公称値を比較した2点間の距離誤差)
(※参考:東京貿易テクノシステム公式HP https://www.tbts.co.jp/product/3d-measuring/laser-tracker/leica-at960/
Uxyz 最大許容誤差として明記し、ASME B89.4.19-2006 & draft ISO 10360-10 に従い算出、指示がない限り精密ライカ1.5’’レッドリングリフレクタを使用)