三次元測定機によるプラント配管の検査

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三次元測定機によるプラント配管の検査とは

プラント配管は、化学工場や食品工場、製鉄所といった工場で使用される配管の総称です。液体や気体、粉体を流す目的で設置されており、何を流すかによって配管の設置ルートや寸法、形状が変わってきます。配管の寸法や形状に不備があれば、漏れや圧力損失、設備の故障に繋がるでしょう。

そんなトラブルを回避するのに役立つのが三次元測定機です。プラント配管の寸法や形状をミクロン単位で正確に測定できるため、製造段階や設置後に配管の精度を確認する検査で使用されます。

プラント配管の構成部品別に見る検査項目

配管(Piping)

プラント内で流体やガスを輸送するための主要部品です。

三次元検査で対応できる検査項目

  • 寸法精度の確認
    配管の直径、長さ、曲がり角度など、基本寸法が設計図通りに製造されているか測定可能。配管の直線部分や曲線部分の寸法精度によって、流体やガスがスムーズに流れるかどうか変わってきます。
  • 形状の評価
    配管の外形や内形が設計仕様に一致しているかを測定可能。接続部や継手部分とのフィット感を確認できます。
  • 公差管理
    配管の製造公差内での寸法保持を確認します。

フランジ(Flange)

配管同士や配管と機器を接続するための部品です。

三次元検査で対応できる検査項目

  • 形状精度の測定
    フランジの平面度、円形度、穴の位置や直径などを高精度に測定可能。接続部分の密閉性を確保し、流体やガスの漏れを防ぎます。
  • 寸法の一致確認
    フランジのボルト穴位置や間隔が設計通りか測定し、他の部品との適合性を評価。組み立て時のトラブルを防止します。
  • 公差チェック
    フランジの各寸法が許容公差内に収まっているかを確認します。
  • 継手(Fittings)

    配管の方向を変えたり、分岐を作ったりする際に使用される部品です。

    三次元検査で対応できる検査項目

    • 形状と寸法の測定
      複雑な形状や曲がり角度を持つ継手の角度、直径、長さなどの寸法を正確に測定し、設計通りに製造されているか確認できます。
    • 接続部の評価
      継手と配管の接続部分が正確に合致しているか測定し、密閉性を確保します。これにより、漏れや破損のリスクを低減します。
    • 表面品質の検査
      継手表面の滑らかさや欠陥がないか評価します。

    バルブ(Valves)

    配管内の流体やガスの流れを制御する重要な部品です。

    三次元検査で対応できる検査項目

    • 形状と寸法の測定
      バルブのボディ、アクチュエーター、ゲートやボールの寸法を高精度に測定します。
    • 動作部品の精度確認
      バルブ開閉機構部分の形状や寸法を測定可能。微細な寸法の誤差がバルブの動作不良につながります。
    • 表面品質と仕上げの評価
      バルブ表面の滑らかさや、摩耗・腐食がないか検査します。

    ガスケット(Gaskets)

    接続部の密閉性を確保するシール材です。

    三次元検査で対応できる検査項目

    • 寸法精度の測定
      ガスケットの厚み、直径、形状など、設計通りに製造されているか正確に測定できます。
    • 形状の評価
      ガスケットの輪郭やパターンが設計仕様に一致しているか評価します。
    • 公差管理
      ガスケットの各寸法が許容公差内に収まっているか確認します。

    ボルト/ナット(Bolts/Nuts)

    配管や機器を固定する部品です。

    三次元検査で対応できる検査項目

    • 寸法と形状の測定
      ボルトの直径や長さ、ネジピッチやヘッド形状、ナットの内径や外径、スレッドピッチや形状などを測定可能。ボルトとナットの寸法精度が高いほど、適切なトルク伝達が可能となり、接続部の強度と安定性が確保されます。
    • 表面品質の検査
      ボルトとナットの表面が滑らかであり、腐食や摩耗がないか検査します。

    配管サポート(Pipe Supports)

    配管システムを固定・支持し、振動や動きを抑制する部品です。

    三次元検査で対応できる検査項目

    • 形状と寸法の測定
      配管サポートの形状、寸法、取り付け位置を正確に測定し、設計通りに製造されているかを確認します。
    • 取り付け精度の確認
      サポートの取り付け穴や固定部分の寸法を測定し、配管との適合性を評価します。
    • 耐荷重性の評価
      配管サポートが設計通りの荷重を支えられるかを確認するために、形状や寸法の精度を測定します。

    三次元測定機によるプラント配管検査の必要性

    三次元測定機によるプラント配管検査は、危険なトラブルを回避するために必要です。

    プラント配管に化学薬品やガス、高圧液体などを流す工場の場合、プラント配管のわずかなズレや形状の不備が重大な事故や故障につながります。危険性の低い液体・気体・粉体以外を流す場合も、配管の詰まりや漏れによる修理コスト、圧力不足や流量不足による生産性低下につながるでしょう。

    このようなトラブルを起こさないためにも、三次元測定機を使用して配管の寸法や角度、接続部分の形状などを正確に測定する必要があります。

    三次元測定機によるプラント配管検査の課題

    プラント配管は非常に大規模なものが多いため、サイズや形状が複雑な場合、測定に時間がかかります。また、配管の設置環境によっては測定自体が困難なケースも。高温・高湿など、厳しい環境下に対応している三次元測定機を選ぶ必要があります。

    さらに、三次元測定機を導入するには初期投資が必要です。慎重なコスト計算を行ったうえで、導入する製品を選びましょう。

    プラント配管検査における三次元測定機の活用例

    例えば、設備を稼働させるためにガスや重油、軽油などをプラント配管に流している工場。漏れると火災や爆発の危険性があるため、三次元測定機による精密な検査が役立ちます。

    また、塩酸や水酸化ナトリウム、消火薬剤などをプラント配管に流している科学工場・薬品工場でも活躍。危険性の高い物質(毒性や腐食性等)を取り扱うため、三次元測定機による検査で安全性を担保しています。

    そのほか、蒸気や機械制御用の空気を配管プラントに流す工場も積極的に活用。配管耐圧を高精度に検査します。

    プラント配管検査の今後の展望

    AIと機械学習の進化

    AIアルゴリズムは大量の測定データを解析し、異常パターンを自動的に検出します。機械学習は、測定データから配管の劣化や故障の兆候を予測することが可能です。今後はこれらの技術が三次元測定機にも積極的に活用されていくと予想されます。

    危険性の高い流体やガスを扱う工場がAI搭載の三次元測定機を導入できるようになれば、プラント配管の微細な亀裂や変形をリアルタイムで検出でき、重大な事故を防げるようになるでしょう。

    IoT機能との連携

    IoT機能をもつ三次元測定機は、測定データをクラウドに送信でき、リアルタイムでモニタリングが可能。異常が検出された際、迅速に対応できるようになります。また、温度や圧力センサーと連携して、配管の状態を包括的に評価することも可能です。

    ただし、IoT機能をもつ三次元測定機は、大量のデータを生成・共有するため、データのセキュリティとプライバシーの保護が課題とされています。

    三次元測定機によるプラント配管検査のまとめ

    • プラント配管のズレや歪みは、工場の稼働効率や安全性に大きな影響を与える
    • 三次元測定機によるプラント配管検査はミクロン単位の高精度な測定が可能
    • 三次元測定機によるプラント配管検査で漏れや圧力損失などのリスクを低減できる

    三次元測定機を使ったプラント配管検査は、作業員の安全のために実施すべき検査です。特に危険性の高い気体・液体・個体を配管プラントに流している工場は、定期的に検査を実施したいところ。操作が難しそうだと感じるかもしれませんが、中には直感的な操作で測定できる三次元測定機もあります。初期投資は必要ですが、長期的に見れば品質向上、コスト削減、効率的な生産管理に大きく貢献するでしょう。

    用途・検査対象で選ぶ
    三次元測定機・レーザートラッカー3選

    当サイトでは、おもに大型検査におすすめ三次元測定機・レーザートラッカーを3製品紹介。いずれも卓上では測定の難しい中・大型ワークに対応している製品と、メーカー企業についての情報を記載しています。

    大型ワークの精密検査は、測定の作業効率や取り回しの良さ、環境耐性など、測定対象や環境に合わせて重視する性能・特性を考えることが重要です。ぜひ、使用状況を鑑みながら、装置選定の参考にしてみてください。

    キーエンス公式サイトへ
測定対象別
三次元測定機・
レーザートラッカー3選

ここでは、卓上に乗らない大型サイズのワークを対象とした検査において、測定サイズごとに適した性能・特徴を持つ三次元測定機やレーザートラッカーと、そのメーカーについて紹介しています。

自動車からプラントまで
現場での効率重視の検査なら
キーエンス

WMシリーズ

キーエンス公式HP
画像引用元:キーエンス公式HP(https://www.keyence.co.jp/products/3d-measure/cmm/wm/get-pricing/)
ワイヤレスプローブにより大型の測定もひとりで簡単に

取り回しの良いワイヤレス式で、接触式(プローブ)と非接触式(レーザー)の2種類が選択可能。寸法・形状を省人かつ効率的に測定できるハンディ型の測定機。
手元に搭載されたタッチパネルによりその場でPCと通信でき、ひとりでもスピーディな測定を実現します。

測定範囲 1.0~25.0m
指示誤差 ±(28 + 5L/1000) μm
大型の金型など
複雑な形状の検査なら
FARO

Quantum Max FaroArm

FARO
画像引用元:FARO(https://www.faro.com/ja-JP/Products/Hardware/Quantum-FaroArms)
奥まった形状の測定でもアーム範囲内なら死角なし

手ぶれ・ミスの少なさから安定して操作でき、複雑な形状の対象物の測定で力を発揮する多関節アーム型の測定器。
8軸テーブルを使用することで、一度のセットアップでさらに様々な角度からの測定が容易になります。

(※接触式測定の場合)
測定範囲 2.0~4.0m
指示誤差 ±25~76μm※
建造物や地形測定
屋外での検査なら
HEXAGON

Absolute Tracker AT960

HEXAGON公式HP
画像引用元:HEXAGON公式HP(https://hexagon.com/ja/products/leica-absolute-tracker-at960)
強力な防塵・防水仕様で屋外環境でも正確な測定

密閉型ユニットが粉じんなどの汚れの侵入を防ぎ(IP54相当)、屋外環境でも問題なく使用できる測定機。
本体搭載の環境ユニットが気温、気圧、湿度条件をチェックし、外部要因に合わせて検査結果を補正します。

測定範囲 ~80m(最大160m)
指示誤差 ±15μm +6μm/1m※
(※参考:[PDF]キーエンス公式HP https://www.keyence.co.jp/download/download/confirmation/?dlAssetId=AS_107457&dlSeriesId=WS_SR57355&ad_local=CDc&wl=1
(※参考:FARO公式HP https://www.faro.com/ja-JP/Products/Hardware/Quantum-FaroArms
Euni 測定値と公称値を比較した2点間の距離誤差)
(※参考:東京貿易テクノシステム公式HP https://www.tbts.co.jp/product/3d-measuring/laser-tracker/leica-at960/
Uxyz 最大許容誤差として明記し、ASME B89.4.19-2006 & draft ISO 10360-10 に従い算出、指示がない限り精密ライカ1.5’’レッドリングリフレクタを使用)