三次元測定機のプローブは正確な測定を行うための重要な部品であり、その選択や使用方法によって測定結果の信頼性が左右されます。本記事では、三次元測定機におけるプローブの基本から、機能、種類、使い方、そして使用時のポイントまでを解説します。
三次元測定機におけるプローブは、測定物に接触して座標データを取得するデバイスです。
プローブはスタイラスと呼ばれる部分を持ち、その先端が測定物に触れると信号が発生し、測定機はその瞬間の座標を記録します。直線、円、球などの幾何形状を計算し、測定対象物の寸法や形状を把握します。
プローブには、以下の機能が求められます。
プローブは、対象物に接触した際に正確な座標データを取得することが基本的な役割です。これには高い精度(誤差が少ないこと)と、繰り返し使用しても同じ精度で結果を出せる繰り返し精度が求められます。
プローブが対象物に与える負荷は最小限である必要があります。柔らかい材料や精密部品など、デリケートな対象物を測定する際には、測定圧力が低く、対象物を変形させないことが求められます。
測定時に外部からのノイズや振動の影響を受けないことも重要です。プローブが外部の振動や電気的なノイズを拾ってしまうと、誤ったデータが記録されてしまいます。機械加工現場など、環境的にノイズが多い場所で使用される場合、プローブには高い耐ノイズ性が求められます。
プローブが測定したデータを確実に測定機に伝達することも重要です。タッチトリガープローブでは、プローブが対象物に接触した瞬間に信号を出力し、そのデータを正確に測定機に伝えます。伝達の正確性が測定結果に影響するため、信号が誤ることなく機器に伝達されることが必要です。
プローブは長期間にわたって使用されるため、摩耗や劣化が避けられません。そのため、プローブ自体の交換やメンテナンスが簡単に行えることが求められます。また、スタイラスの先端の摩耗などがあった場合、すぐに修正や交換ができる設計が必要です。
プローブには多くの種類があり、測定対象や目的に応じて適切なタイプを選ぶ必要があります。
一般的に使用されるプローブの一つです。スタイラスが測定物に接触することで信号を発し、その瞬間の座標データを取得します。構造はシンプルで、スタイラスとプローブ本体で構成されており、接触型のため、硬い材質の測定に向いています。
このプローブは、幾何形状を正確に測定する場面でよく使用され、短時間で複数の点を測定することが可能です。柔らかい材料やデリケートな対象物には向いておらず、測定圧による形状の変化が懸念される場合があります。
電気センサーを使用して対象物の表面をスキャンし、測定データを取得するタイプです。非接触で測定を行うため、柔らかく変形しやすい材料や、直接接触が難しい場所の測定に適しています。測定精度が高く、接触による測定対象への影響を最小限に抑えられます。
レーザーやビデオ技術を活用して測定対象に接触することなく、距離や形状を測定します。レーザー光を利用した測定技術により、高精度な距離測定ができ、複雑な形状の測定にも対応可能です。
接触による影響を受けにくいため、薄い部品や小さな構造物、変形しやすい対象物に使用されることが多いプローブです。
特定の測定対象や用途に特化して設計されたプローブです。電子デバイスの回路測定や、高周波環境下での測定に対応したものなどがあります。高温や大電流環境での使用に適したものもあり、特殊な環境やニーズに応じた設計がなされています。
プローブを正しく使用するためには、以下の手順を守ることが大切です。
測定前に、スタイラスや測定機の精度確認を行い、必要であれば再調整を行います。これは誤差を防ぎ、正確な測定結果を得るために欠かせません。
測定対象に応じて、できるだけ短いスタイラスを使用します。長すぎるスタイラスは、測定結果に誤差を生じやすくなります。
プローブの先端は摩耗しやすいため、定期的に状態を確認し、必要に応じて交換を行います。
プローブを使用する際には、いくつかのポイントを確認することが大切です。
測定前にプローブの校正を行い、システムが正確に動作しているか確認します。スタイラスの再登録が必要な場合もあります。
測定対象に合ったプローブを選ぶことで、正確なデータ取得が可能です。変形しやすい柔らかい素材には非接触型のプローブを選ぶようにしましょう。
温度や湿度などの環境要因が測定精度に影響を与えるため、制御された環境下で測定を行うように徹底することが大切です。
プローブの選定や使用方法によって、測定結果の精度は大きく左右されます。そのため、測定対象物に合ったプローブの種類を適切に選び、事前補正やスタイラスの状態を確認しましょう。
また、接触角度や測定方法に注意することも、誤差を抑えるために大切です。適切な準備と管理を行うことで、三次元測定の信頼性が向上し、製造プロセス全体の効率性を確保できます。
ここでは、卓上に乗らない大型サイズのワークを対象とした検査において、測定サイズごとに適した性能・特徴を持つ三次元測定機やレーザートラッカーと、そのメーカーについて紹介しています。
WMシリーズ
| 測定範囲 | 1.0~25.0m |
|---|---|
| 指示誤差 | ±(28 + 5L/1000) μm |
Quantum Max FaroArm
| 測定範囲 | 2.0~4.0m |
|---|---|
| 指示誤差 | ±25~76μm※ |
Absolute Tracker AT960
| 測定範囲 | ~80m(最大160m) |
|---|---|
| 指示誤差 | ±15μm +6μm/1m※ |