風力発電ブレードの三次元測定機活用例

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風力発電のブレードは、1枚で数十メートルにも達する巨大な構造物でありながら、航空機の翼のように緻密な三次元曲面で設計されています。わずかな形状の歪みが、発電効率の低下や騒音の発生、さらには重大な破損事故に直結するため、三次元測定機による高精度な品質検査が欠かせません。

ここでは、風力発電ブレードにおける三次元測定機の具体的な活用事例を紹介します。

風力発電ブレードの大型検査における三次元測定機の活用例

CASE1.巨大な曲面形状を正確にデジタル化

風力発電のブレードは複雑な曲面が連続する形状なので、メジャーなどの定点計測では全体の歪みやねじれを正確に把握することは困難です。広範囲をカバーできる三次元測定機を活用すれば、設計CADデータと実物を照合し、翼断面形状やねじれ角を高い精度で検証できます。

CASE2.発電効率の最大化と騒音抑制

ブレードの形状が設計値からわずかに逸脱するだけで、空気抵抗が増大し発電効率が低下します。また、複数枚のブレード間で形状差があると、回転時のバランスを崩して異常振動や騒音の原因となります。三次元測定機によって設計通りの精密な形状維持と、各ブレードの対称性を確保することが、安定した運用には極めて重要です。

CASE3.耐久性の向上と事故防止

特に洋上風力発電では、強風や塩害などの過酷な環境に耐える高い品質が求められます。製造工程で三次元測定機を用いて、表面の平滑度や接合部の精度を検査することで、応力集中による亀裂や破損のリスクを防ぎ、長期にわたる安全な運用を支えることができます。

風力発電ブレードの大型部品検査に適している測定方法

  • レーザートラッカーによる広域測定
    数メートルから数十メートル離れた場所から対象物を精密に測定できるので、巨大なブレード全体の寸法や、取り付けフランジ面の平坦度測定に適しています。可搬性に優れた装置なので、工場内だけでなく設置現場での測定にも対応できます。
  • 非接触スキャナーによる形状解析
    ブレード表面をレーザーやパターン光でスキャンし、膨大な点群データを生成して3Dモデル化します。設計CADデータと比較することで、表面のわずかな凹凸や曲面のズレを視覚的(カラーマップ等)に確認できます。
  • 定期点検・リペアでの活用
    製造時だけでなく、稼働後の定期点検でも、経年変化による形状の歪みや摩耗の確認に活用できます。落雷や衝突による損傷箇所の正確な範囲特定や、補修後の形状復元確認にも三次元測定が役立ちます。

風力発電ブレードに適している三次元測定機の選び方

  • 大型構造物に対応する測定範囲(測定ボリューム)
  • 屋外や高所でも使用できる可搬性(ポータビリティ)
  • 大量の点群データを高速で処理できるソフトウェア能力

風力発電ブレードはサイズが極めて大きいため、大空間を高い精度で測定できることが選定の第一条件となります。測定距離が長くなるほど誤差が生じやすいため、要求される精度を維持できるスペックの確認が必要です。

また、解析効率を高めるために設計CADモデルとの照合がスムーズに行えるソフトウェア連携も重視すべきポイントです。工場外のメンテナンス現場でも使用する場合は、持ち運びのしやすさや、環境変化(温度や振動)に強い機種を選ぶと良いでしょう。

大型ワークの検査に適した
三次元測定機・レーザートラッカー3選

当サイトでは、数ある三次元測定機の中から、大型検査におすすめ三次元測定機・レーザートラッカーを3製品紹介。

いずれも2m以上の中・大型ワークを測定可能としている三次元測定機なので、ぜひチェックしてみてください。複雑な形状への対応や、作業効率・取り回しの良さ、環境耐性など、製品によっておすすめのポイントは異なります。測定したい大型部品に合った三次元測定機を選びましょう。

キーエンス公式サイトへ
測定対象別
三次元測定機・
レーザートラッカー3選

ここでは、卓上に乗らない大型サイズのワークを対象とした検査において、測定サイズごとに適した性能・特徴を持つ三次元測定機やレーザートラッカーと、そのメーカーについて紹介しています。

自動車からプラントまで
現場での効率重視の検査なら
キーエンス

WMシリーズ

キーエンス公式HP
画像引用元:キーエンス公式HP(https://www.keyence.co.jp/products/3d-measure/cmm/wm/get-pricing/)
ワイヤレスプローブにより大型の測定もひとりで簡単に

取り回しの良いワイヤレス式で、接触式(プローブ)と非接触式(レーザー)の2種類が選択可能。寸法・形状を省人かつ効率的に測定できるハンディ型の測定機
手元に搭載されたタッチパネルによりその場でPCと通信でき、ひとりでもスピーディな測定を実現します。

測定範囲 1.0~25.0m
指示誤差 ±(28 + 5L/1000) μm
大型の金型など
複雑な形状の検査なら
FARO

Quantum Max FaroArm

FARO
画像引用元:FARO(https://www.faro.com/ja-JP/Products/Hardware/Quantum-FaroArms)
奥まった形状の測定でもアーム範囲内なら死角なし

手ぶれ・ミスの少なさから安定して操作でき、複雑な形状の対象物の測定で力を発揮する多関節アーム型の測定器
8軸テーブルを使用することで、一度のセットアップでさらに様々な角度からの測定が容易になります。

(※接触式測定の場合)
測定範囲 2.0~4.0m
指示誤差 ±25~76μm※
建造物や地形測定
屋外での検査なら
HEXAGON

Absolute Tracker AT960

HEXAGON公式HP
画像引用元:HEXAGON公式HP(https://hexagon.com/ja/products/leica-absolute-tracker-at960)
強力な防塵・防水仕様で屋外環境でも正確な測定

密閉型ユニットが粉じんなどの汚れの侵入を防ぎ(IP54相当)、屋外環境でも問題なく使用できる測定機
本体搭載の環境ユニットが気温、気圧、湿度条件をチェックし、外部要因に合わせて検査結果を補正します。

測定範囲 ~80m(最大160m)
指示誤差 ±15μm +6μm/1m※
(※参考:[PDF]キーエンス公式HP https://www.keyence.co.jp/download/download/confirmation/?dlAssetId=AS_107457&dlSeriesId=WS_SR57355&ad_local=CDc&wl=1
(※参考:FARO公式HP https://www.faro.com/ja-JP/Products/Hardware/Quantum-FaroArms
Euni 測定値と公称値を比較した2点間の距離誤差)
(※参考:東京貿易テクノシステム公式HP https://www.tbts.co.jp/product/3d-measuring/laser-tracker/leica-at960/
Uxyz 最大許容誤差として明記し、ASME B89.4.19-2006 & draft ISO 10360-10 に従い算出、指示がない限り精密ライカ1.5’’レッドリングリフレクタを使用)