造船業界では多種多様な部品が製造され、船舶の安全性を確保するために三次元測定機による検査が行われています。大きく分けて接触式と非接触式の二種類があるので、違いを見ていきましょう。
プロープを使用して部品の表面に触れながら測定するため、高精度な測定が可能です。主に、船体フレームやエンジン部品、プロペラや電気システム部品など、微細な寸法誤差が全体に影響する部品の測定に使用されています。
レーザーや光学センサーを用いて測定する方法です。部品に触れることなく測定できるため、素材や環境に応じて柔軟に対応できるのが特徴。主に、船底板などの大型部品、高温環境下で使用される排気システム部品、船体の曲面部分などの測定で使用されています。
三次元測定機による検査が必要とされる主な理由は次の3つです。
造船部品における寸法の誤差や形状不備は、船舶の構造的な弱点となり、運航中のトラブルリスクを高めます。例えば、船体の骨組みや船底の寸法が不正確だった場合、船の浮力や耐久性に影響を与え、沈没のリスクが高まるのです。三次元測定機を用いて精密な測定を行うことで、こうしたリスクを未然に防げます。
船舶の効率性と性能は、各部品の精度に大きく依存するため、パフォーマンスの最適化するには三次元測定機による高精度な測定が欠かせません。エンジン部品やプロペラの寸法が正確であれば、燃費効率が向上し、運航コストを削減できます。
三次元測定機による精密な測定は、不良品の発生を最小限に抑えます。再加工や廃棄にかかるコストを削減できるほか、計画的なメンテナンスも可能に。突発的な故障によるコストも削減できるでしょう。
三次元測定機を用いた造船部品検査には多くのメリットがありますが、いくつかの課題も存在します。
三次元測定機は高精度な測定が可能な反面、初期導入コストが高額です。本体のサイズが大きければ大きいほど、設置費用が高額になります。また、本体価格は検査する部品のサイズが大きいほど、測定精度が高くなるほど高額になる傾向にあるようです。
大型の三次元測定機を導入する場合、専用の測定室を設けたり、造船工場のレイアウトを見直したりする手間が発生します。対策として、据え置き型ではなく、持ち運びできるハンディ型(ワイヤレスプローブ)の三次元測定機を選べば、最小限の設置スペースで済むでしょう。
造船業界では、主に次のような検査で活用されています。
船体のフレームは、船舶の構造的な強度を支える重要な部品です。三次元測定機を活用することで、フレームの各接続部や溶接部分の寸法精度を高精度に測定できます。
三次元測定機を活用すれば、エンジンブロックやシリンダーヘッドなどの部品の寸法や形状を測定し、設計通りに製造されているかを確認できます。
船舶の推進力を担うプロペラは、その形状と寸法が航行性能に直結します。三次元測定機を活用して、プロペラのブレードの角度や曲率を高精度に測定しましょう。
衝突安全性を高めるために装備されている各種部品についても、三次元測定機を活用して寸法精度を測定可能です。
船舶に使用されている電気システム部品(コネクタや端子、電子制御ユニットなど)の寸法・形状測定にも三次元測定機を活用できます。
船舶は人や貨物を載せて海上を運航するため、三次元測定機による高精度な部品検査が欠かせません。ひとくちに造船と言っても、商船や作業船、漁船、特殊船、艦艇など、船舶には様々な種類があり、サイズや重視する性能が異なるもの。測定する部品のサイズや素材、測定環境などによって、選ぶべき三次元測定機は変わってくるため、測定対象に合った三次元測定機を選ぶようにしましょう。
当サイトでは、おもに大型検査におすすめ三次元測定機・レーザートラッカーを3製品紹介。いずれも卓上では測定の難しい中・大型ワークに対応している製品と、メーカー企業についての情報を記載しています。
大型ワークの精密検査は、測定の作業効率や取り回しの良さ、環境耐性など、測定対象や環境に合わせて重視する性能・特性を考えることが重要です。ぜひ、使用状況を鑑みながら、装置選定の参考にしてみてください。
ここでは、卓上に乗らない大型サイズのワークを対象とした検査において、測定サイズごとに適した性能・特徴を持つ三次元測定機やレーザートラッカーと、そのメーカーについて紹介しています。
WMシリーズ
| 測定範囲 | 1.0~25.0m |
|---|---|
| 指示誤差 | ±(28 + 5L/1000) μm |
Quantum Max FaroArm
| 測定範囲 | 2.0~4.0m |
|---|---|
| 指示誤差 | ±25~76μm※ |
Absolute Tracker AT960
| 測定範囲 | ~80m(最大160m) |
|---|---|
| 指示誤差 | ±15μm +6μm/1m※ |